腎臓機能が低下したときの改善方法まとめ

体内の腎臓とその周りの臓器腎臓は、脊柱の両側に左右一つずつある臓器で主な機能として塩分や老廃物、有害物質などを「尿」として体外へ排泄します。

この他にも腎臓が持つ機能としては、

・血液中の水分や体液、栄養分のバランスを調整する
・体内の塩分やカルシウムなどのバランスを調整する
・血液を中性に保つ
・血圧をコントロールする
・ビタミンDをつくる

などの様々な働きがあります。

今回は腎臓の機能が低下した際のチェック方法や機能低下の原因、腎機能が低下しないように予防する方法、腎臓に良い食べ物や悪い食べ物を紹介します。


腎機能低下の原因

腎機能を検査した結果と聴診器腎機能が低下してしまう主な原因は以下の3つです。いずれも普段の生活習慣によって引き起こされる症状なので不摂生な生活をしていたり、忙しくて健康維持におろそかだったりすると腎機能が低下するリスクが高くなります。

高血圧

血圧が上がることで腎臓への負担が大きくなり腎臓の機能が低下します。腎臓の働きが弱くなってくると、塩分(ナトリウム)の排出ができなくなってくるのでさらに血圧が上がるという悪循環に陥ってしまいます。腎臓の機能を正常にするためにも血圧を適正値にすることは重要です。

糖尿病

糖尿病が進行することによって、腎臓の働きが低下し尿を作れなくなってしまいます。尿を作れなくなると、人工透析によって尿を体外に出す必要がありますが、これは週に3日程度病院に通って体から尿をとるという大変面倒な処置です。

糖尿病による腎機能の低下は「たんぱく尿」の有無で判断できます。健康診断でたんぱく尿が出始めると腎臓のろ過機能が弱っているサインなので注意が必要です。

肥満

詳細な原因はまだわかっていませんが、統計からメタボの人は腎臓の機能が低下していることが多く「たんぱく尿」が出やすくなることがわかっています。肥満は糖尿病、高血圧が同時に起こっていることも多いので腎臓には悪いことは間違いありません。

腎機能が低下した時の症状

タンパク尿

腎機能が正常に働いている場合は、腎臓がたんぱく質をろ過するので尿中にたんぱく質は漏れてきません。腎機能が低下すると、このたんぱく質をろ過する働きが弱くなるため尿中にたんぱく質が多く混じるようになります。

健康な人でも、激しい運動の後や風邪で熱が出ていたりする場合には一時的にタンパク尿が出る場合もありますが、一時的なものは心配ありません。常にタンパク尿が出ている場合には注意が必要です。

血尿

腎臓に炎症が起きると、発熱や血尿、背中の痛みなどがでるようになります。男性より女性の方が尿道が短いため細菌感染しやすく同時に膀胱炎も起こしやすくなります。

むくみ

腎臓の機能低下すると尿を作る働きが衰えます。本来は尿になるべき水分が体内に貯まるために、健康の時よりも「むくみ」やすくなります。

トイレが近い

腎機能低下でトイレが近い腎臓の機能が低下する際に一時的ですが毒素が溜まるのを防ぐために多くの尿をつくるときがあります。普段よりも尿が多くつくられるので、当然トイレに行きたくなる回数も多くなります。

腎臓以外の頻尿に関する知識

腎機能が低下しているかのチェック

腎臓は、病気になっても自覚症状が出にくいため発見が遅れてしまうことが多いですが、 腎機能が低下してくると尿などに様々な症状が出始めるので日ごろから尿の状態や血圧などをチェックすることで腎臓の障害を発見することが可能です。

尿を確認する

障害が発生すると、尿量が減ったり赤血球や白血球が混じったりするため、にごった尿が排泄されます。 また、ろ過機能が衰えるため、たんぱく質を含んだ尿が排泄されることがあり、排泄時に泡立ち、消えにくいことが特徴です。

顔を確認する

腎機能低下の自覚症状として、顔や手足がむくんできます。 顔は特にまぶたが最初にむくみ、その後に手、足、腹から全身に広がります。

血圧を測る

腎臓は、血圧の調整などに関わるため、初期の症状としては血圧が上がります。 その後、進行するにつれ頭痛やめまい、吐き気、動悸などが起こることがあります。

腎機能をチェックする数値

腎機能が低下しているかどうかは、健康診断で、尿検査と血液検査をすることで調べることができます。

尿潜血

判定:陰性(マイナス)で問題なし
尿潜血の検査では、尿中に含まれるヘモグロビンの量を検査します。異常があると、腎臓、尿管、膀胱に血液が混じることがあります。

健康な人であっても、ビタミンCサプリ、発熱、激しい運動の後などには検査が陽性になる場合もあります。この尿潜血の検査で病気を特定することはできないので、再検査で他の検査をすることが多いです。

尿蛋白

判定:陰性(マイナス)で問題なし
尿蛋白は、血液中のタンパク質が腎臓でろ過・吸収できないためにタンパク質が尿中に漏れているために起こります。すなわち、検査では尿中にタンパク質があるかどうかをチェックしています。

この検査で、陽性(+)の場合は、タンパク質が尿中にあるということになりますが、健康であっても一時的にタンパク質が多くなることもあるので、再検査で病気を調べることがほとんどです。

クレアチニン値

血液検査によって血液中のクレアチニン値によって腎機能が低下しているかどうかを判断します。クレアチニンは腎臓が正常に機能していれば、尿として排泄されるので血液中にクレアチニンが基準値内であれば正常に腎臓が働いていると考えられます。

クレアチニンの基準範囲
男性:~1.00mg/dl
女性:~0.70mg/dl

※基準値は2014年改定版 今後変更されることもある

腎機能低下の予防

働きを回復させるためには、食事や運動など生活習慣の見直しをすることが大切です。

塩分を制限

塩分の摂りすぎは腎臓への負担が大きくなります。1日に6g以下を目安にしましょう。 塩分を控えるコツとしては、ハムやベーコン、インスタント食品などの加工食品を控えたり、 しょうゆや塩を使うところはなるべくダシや香味野菜、ゴマなどで代用しましょう。

塩分を制限するときには、コンビニやファーストフードを中心とした外食にも注意が必要です。これらの食品中には、塩分が多く含まれ、栄養バランスもよくないため腎臓に負担をかけます。できるだけ、自宅で塩分を控えた食事をとるようにしてください。

たんぱく質の制限

タンパク質は糖質や脂質と違って分解されると7~8割は老廃物となり腎臓が処理するために負担がかかります。とはいえ、タンパク質は人体を形成するために大切な栄養素です。 腎臓に負担がかかるからと言って、やみくもにたんぱく質を少なくするだけでは、かえって腎臓の修復ができなくなってしまいます。

タンパク質を摂りすぎることを注意するのはもちろんですが、良質のタンパク質を適切に摂ることが最も重要なことです。良質なタンパク質とは人体で作ることができない9種類のタンパク質をバランスよく含んでいる食品です。例えば、肉、卵、魚、牛乳などが良質なタンパク質です。この良質なタンパク質を含む食品の場合は、毒素になる割合が少ないので腎臓に負担をかけません。

とはいっても、食事はバランスよく食べることが大切なのでこればかりを食べるわけにはいきませんが積極的に摂取したい食べ物として覚えておいてください。

追記参照:
日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」においてeGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしとされました。
日本腎臓学会発作成の診療ガイドライン

アミノ酸スコアの高い食品

アミノ酸スコアとは、アミノ酸の構成バランスを示しています。アミノ酸スコアが100に近いほど栄養価の優れた食品といえます。

食品 アミノ酸スコア
牛肉 100
豚肉 100
鶏卵 100
牛乳 100
アジ 100
イワシ 100
サケ 100
マグロ 100
カツオ 100
生クリーム 100
ヨーグルト 100
枝豆 92
おから 91
大豆 86

睡眠や運動

生活習慣病には、休養が大切です。気分転換や疲労回復に睡眠や運動をしましょう。ただし、腎機能がすでに低下している方は激しい運動は逆効果になってしまいます。

激しい運動は、尿素などの疲労物質を発生させますが、腎臓がこれらの疲労物質もろ過するので腎臓に負担がかかります。運動をする場合は、体に過度の負担がかからないウォーキングなどの軽い運動をするようにしてください。

飲酒・喫煙

腎臓の機能が低下している場合、適度な飲酒はかまいませんが過度の飲酒は避けたほうがいいでしょう。血中にアルコールが混ざると、血液が粘性をもったいわゆる「ドロドロ」状態になり、「尿酸値」が高くなります。

喫煙は腎臓病の発症にも影響します。1日に20本以上タバコを吸う人は吸わない人に比べ腎不全になる割合が2.3倍といわれています。喫煙で慢性腎臓病の人はタンパク尿が増加し病気が悪化するのでできるだけ禁煙することが大切です。

過労やストレス

腎臓だけでなく過労やストレスは健康状態を悪くします。腎臓の働きの一つに血液をろ過する機能がありますが、過労やストレスで活性酸素が増えると血液がドロドロになってしまうので、その分腎臓の負担が増えて腎機能が低下してしまいます。

腎機能の改善

b5f5a9e576552e24b2f1e4934acdb353_s軽度の腎機能の低下なら早期に発見し早期に治療することで低下を防ぐことができますが、慢性腎臓病になってしまうと機能が低下した腎臓は元に戻らなくなってしまいます。

腎臓がやっかいなのは、自覚症状がわかりにくく腎機能が低下していると思う人が少ないということです。

腎臓の疾患は健康診断で見つかることがほとんどなので、会社の健康診断、自営の人は市区町村で行っている健康診断をできるだけ受けるようにして早期に異常を発見するようにしましょう。

腎機能低下の時の注意すべき薬

腎臓の低下時に気を付けたいのが薬の服用です。薬の中には腎臓で代謝されるものがあるので、そのような薬は腎機能低下時には悪化する可能性があるので避けなければなりません。

マグネシウム・アルミニウムを含む薬

下剤や胃腸薬にマグネシウムやアルミニウムが入っている場合があり、これらが体内に蓄積されると腎機能の病状が悪化する場合があります。

非ステロイド性消炎鎮痛剤

鎮痛剤、風邪薬に入っている場合があり、腎機能障害を悪化させる恐れがあります。腎臓の疾患で医療機関を受診しているなら主治医に確認したり、検査で腎機能が低下していると分けっている場合にはできるだけ使わない方がいいでしょう。

造影剤

CTやMRI、血管造影などで使用されます。腎臓で代謝されるので腎臓が弱っている場合体内に蓄積していしまいます。初診で医療機関に行く場合などは自己申告した方がいいでしょう。

抗生物質

抗生物質のなかでもアミノグリコシド系抗生物質は、急性腎不全の原因となる場合があるので、腎機能に合わせた量を投薬してもらう必要があります。抗生物質は腎臓で代謝されるためできれば避けた方がいい薬です。

腎臓の働きを改善する食べ物・成分

腎機能が低下しているときに食事でなんとかしようと思えば、腎臓にいい食べ物を積極的に摂って改善していくのがいいでしょう。

腎臓に良い食べ物でよく問題になるのが、カリウムの扱いです。カリウムは、腎臓病が重くなってくると尿中に排出することができなくなってくるので制限をされることがあります。

そのため、カリウムの摂取を控えるようにする場合もあります。腎臓病ではなく腎臓の機能が少し低下しているぐらいであれば、塩分を排出する作用があるのでカリウムは積極的に摂った方がいいでしょう。

ただし以下の食品は、特に腎臓に病気があるわけではないが、健康診断の数値を改善したい腎臓を労わりたい人向けです。現在すでに腎臓に病気がある人は食事の内容を医師から伝えられていると思いますので、そちらを守るようにしてください。

しじみ

腎臓にはオルニチンというアミノ酸の一種が含まれています。このオルニチンには尿素回路でアンモニアを解毒、不純物をろ過する働きを助けてくれるので、腎臓障害の改善や腎機能アップに良いといわれています。

スイカ

スイカは水分が多く含まれている上にカリウムも豊富に含まれているので腎臓の機能をサポートします。また、「シトルリン」という成分が、他のアミノ酸と体内で発生してしまうアンモニアを無害にして体外へ排泄する作用があります。

その他の腎臓にいい食べ物

腎臓にいい食べ物 枝豆
腎臓にいいと言われている食べ物は、他にも海藻類、豆類、ゴマ、キャベツ、ほうれん草、ハト麦などがあります。 これらの食べ物は、基本的にカリウムが多く含まれ尿の排出をよくするものです。

ただし、腎機能がかなり悪い人にとってはカリウムが蓄積されてしまい逆に悪い食べ物になってしまうので、自分の腎臓の状態に関しては十分に注意してください。

腎臓に良い食べ物の用意が難しければサプリでもOK

腎臓によい成分としては、アミノ酸であるオルニチンやシトルリンが有名です。これらの成分は、しじみやスイカなどの一部の食べ物に含まれています。

とはいえ、オルニチンを毎日摂取しようと思ったらしじみを頻繁に購入して味噌汁などを作らなければならず、手間がかかるのと飽きてしまうとなかなか続かないのではないでしょうか?

そんな場合は、サプリメントでオルニチンやシトルリンを摂取して腎臓の機能を回復させるのも一つの方法です。腎機能を改善してくれる成分を配合しているサプリを試して、次の健康診断では家族を安心させましょう。

クレアギニンEX腎機能改善サプリ クレアギニンEX
クレアギニンEXはシトルリンを始めとして、トコフェロール、ペポカボチャといった成分を29種類も配合しています。腎臓に関するサプリという意味では、ほとんど出回っていないので貴重なサプリです。

しじみん腎機能改善サプリ しじみん
しじみを使ったサプリは多くありますが、「しじみん」は国産のしじみを使ったサプリです。従来のしじみから摂れるオルニチンに加えて、貝殻成分や海藻の栄養素まで含有しているのでしじみからオルニチンを効率よく摂取できます。

追記:腎機能低下時のタンパク質制限について

腎臓機能低下時にタンパク質を制限すべきかどうかという議論がありましたが、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」においてeGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしとされました。

腎機能の低下および軽度の腎臓病ではタンパク質は特に制限する必要はないということです。eGFRは通常の健康診断でも行いますのでその数値を参考にしてください。

タンパク質制限に関しては、従来から医師の中でも見解がわかれていて、制限をした方がいいという人と良質のタンパク質なら構わないなど見解が統一されていなかったので、これで一定の指針ができてよかったと思います。


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